機関誌刊行の目的
哲学プラクティスの取り組みが、日本の市民活動や学校現場において行われるようになってきています。このような流れを受け、「哲学プラクティスに関わるすべての人が交流できる場所を設けよう」という趣旨のもと哲学プラクティス連絡会が発足されました。2015年より年1回の連絡会が開かれ、知的交流がなされています。
日々、いろんな場所でいろんな人が哲学プラクティスを行い、奮闘したり、感動したり、迷ったり、悩んだりしている。それは、ファシリテーターや実践者だけでなく、子どもも大人も、それこそ、みんなです。
だからこそ、残したい。哲学プラクティスの悩みや葛藤、実践した記録を。日々蓄積がなされてきている今日だからこそ、そのための機会が必要となっているのです。
だから、作りましょう。一人ひとりが考えていることを出し合いながら、みんなで考えられる場所。それが『みんなで考えよう』です。
『みんなで考えよう』の内容
これまで、哲学プラクティスの活動の記録や考えは、個人のブログやHP、Twitter、Facebookなどで共有されてきました。もちろん、大学の紀要や学会誌でも論じられています。しかし、学会誌には査読があったり、なかなかハードルも高く、価値ある実践が記録されないままになっている現状があります。
そこで、『みんなで考えよう』では、高いハードルをとっぱらいます。「こんな実践をしてみました!」「こんなことに困っています!」「哲学プラクティスっていうのはね!」などなど、自由に記録したり、書いたり、論じたりしながら、考えを交流できるような内容にします。そこで、以下、目安として5つの扉を設けてみました。
『みんなで考えよう』5つの扉
1.「実践」の扉:こんな実践をしてみました!実践の記録や工夫など。
2.「論考」の扉:哲学プラクティスに関する考えをつらつらと。
3.「苦悩」の扉:哲学プラクティスにおける悩み。困っていること。難しいこと。
4.「自慢」の扉:どや!こんな実践、考えすごいでしょ?という自慢を。
5.「開拓」の扉:どこの扉にも属さない、属したくない!新たな提案を。
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実践の扉
―ねりま子どもてつがく(ねこてつ)、3つの試み―
高口陽子 佐々木亜希子 栃尾江美 小川泰治(ねりま子どもてつがく)
◆学生が見た「多世代哲学対話とプロジェクト学習による地方創生教育」の実践
立教大学文学部教育学科河野ゼミ有志
―MCI アラムナイイベントでの実践から考える今後の課題と可能性―
水波洸
圓井義典(東京工芸大学 芸術学部 写真学科)
◆さろん仙台ツアー2017―――「哲学ツーリズム」の視点から―――
芹沢幸雄(さろん)
―他の参加者の意見を良く聴くことを狙う―
堀越睦(さろん)
論考の扉
◆ドキュメント:ソクラティク・ダイアローグ2018.03/Springe
―比較、および SD の副産物についても―
草間さゆり(ひろしま哲学カフェ ~呼吸と哲学のカフェ)
◆W・W・W・W・W・H―「哲学対話」の外にある世界と向き合うことについて―
木村進之介(ICU哲学同好会)
木村史人(立正大学)
しばたはる(波止場てつがくカフェ)
苦悩の扉
◆哲学対話のうまくいかなさを考える―こんなとき、どうする?―
永井玲衣(Core Talk Cafe)
自慢の扉
◆対話的な哲学実践を多様な仕方で自慢する試み―八つの自慢を提示する―
古賀裕也
開拓の扉
原田聖士・飯田凌・中川暖・神之浦仁美(立正大学文学部哲学科)
―V・チェルネンコ氏と同僚たちとの1年7か月を振り返って―
水谷みつる
◆異分野の専門家と協創する哲学教育の可能性―「写真×哲学」を事例として―
吉田幸司(クロス・フィロソフィーズ株式会社、上智大学卒)
篠原崇
―勇者ハラ・タイワとその仲間達VS魔王「鉄のガクト」―
及川一郎(「哲学カフェ・哲学対話ガイド」管理人)
ISSN 2434-1649(製本版) ISSN 2434-2858(オンライン版)
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お問い合わせ:哲学プラクティス連絡会『みんなで考えよう』編集委員会
得居千照、永井玲衣、皆川朋生、廣畑光希
let.us.think.together.21@gmail.com